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懲戒行為

就業規則に定める懲戒行為は、
 処分に対する客観性を担保する重要な記述事項です。

就業規則に明記する懲戒行為は業務に即した具体的内容を記載します。

 業種による特色。企業の大きさ。属性により一重に処分と言ってもその行為。処分の重さは様々です。
 懲戒処分を行った後での労働紛争を予防するためにも、就業規則に明記する懲戒行為は自社の業務に即して具体的に記述しておきます。

・一般的なモデル就業規則等を利用した場合の問題点
 モデル就業規則とは、どのような会社でも使用できるように作られたものに過ぎません。
 このため、各社における重要事項等に関する記載はありません。
 また、労働法を含む法改正に伴う変更。社会情勢の変化を踏まえた見直しが必要であり、モデル就業規則はあくまで参考として範囲に利用を留める必要があります。

・社会情勢の変化に伴う変更例
 飲酒運転行為に関する記述
 情報漏えいに関する記述 等

・法改正による変更例
 セクハラ行為に関する記述 等

・安易な既定の準用による限界
 会社にとって不都合な事案が発生した時、どのような場合でも何らかの形で懲戒行為関する項目にこじ付けて処分を行います。
 しかし、会社にとって深刻な問題であっても、その行為が就業規則に明示されていない場合、「服務規律違反」等でしか該当しない場合があります。
 この場合、例え会社にとって大きな問題であっても、大きな処分を行うことが出来ず、無理に処分を行った結果労働紛争に発展するという可能性があります。

・深刻な問題行為であるが重い処分を出来ない例
 ・社員の飲酒行為について
 状況:
 Aは、会社の車両を飲酒状態で運転していた。
 しかし、飲酒行為は同僚等が確認しているが事故等なく警察に検挙されていない状態である。
 就業規則には、不法行為による刑事罰を受けた場合に懲戒解雇を明記してる。しかし、勤務中の飲酒行為。飲酒運転行為については明記していない。

 処分予定内容:
 Aの行為は、現在の社会情勢を鑑みるて社会通念上決して許されるものではなく、即日懲戒解雇処分とする。

 労働紛争に発展した場合の問題:
 懲戒解雇処分について、警察により立件されていないことから、就業規則の懲戒解雇行為に直ちに該当するものではない。
 このため、飲酒運転=懲戒解雇では客観性を有しておらず、懲戒解雇処分は重すぎる。という懸念が残る。

 
 ・情報漏えい行為について
 状況:
 Bは、社内データを私物のUSBデータに暗号化せずに保存し持ち帰った際に盗難にあった。
 社内データには顧客から預かった重要な機密が文書が含まれ、会社の信用問題に関わる大きな問題に発展し多額の損失が発生する見込みである。
 就業規則では、故意に情報漏えいを行った場合に損害額の弁償行為が明記されていた。
 しかし、情報セキュリティマニュアル等はなく、情報管理の方法は個人に任されていた。Bは、暗号化等の方法も知らず、私物のUSBを使用する行為は日常的に行われている行為であった。

 処分予定内容: 
 Bの行為は、情報を扱うものとして当然の責任である管理方法が欠落してた。
 また、社の信用を大きく損なう行為であり将来にわたり多額の損失金を発生させるものである。
 そこで、契約解約に伴う実損害額の内50%を分割に弁償させる。

 労働紛争に発展した場合の問題:
 Bの行為は、社内の情報管理方法に問題があるものであり、Bの過失責任は逃れられないがその責任は弁済を伴うほど大きなものではない。
 よって、処分内容は著しく労働者にと不合理である。という懸念がある。

・重い処分に関する懲戒行為の明記
 訓戒・譴責等の軽い処分内容に対して、労働者の地位を変更するような解雇等の処分はより厳密な客観性が問われます。
 就業規則の懲戒行為では、これら重い懲戒行為に関して特に具体的に記載することに注意を払います。
 また、重い懲戒項目の内容は自らの会社が具体的にどのようなことに損害が大きいかを鑑みて記載します。

 ・飲酒運転に関すること
 公私を問わず飲酒状態で車の運転を行うこと。

 ・情報漏えいに関すること
 情報管理規定○条○号に該当するよる故意による情報漏えいがあたっとき。
 情報管理規定○条に記載する安全措置を講じずに記録媒体にデータを記録すること。
 情報管理規定○条に記載する正規のデータ消去方法を取らずにデータを廃棄したとき。
 情報管理規定○条、及び○条に起因する使用者の過失責任が大きい情報漏えい事故があったとき。
 ※情報管理規定の本文、予め懲戒内容と整合性がとれるように文章を明記しておくと便利です。

・軽い処分に関する懲戒行為について
 解雇を伴うような、懲戒行為に対して、降格・停職・減給等の懲戒処分はかなり柔軟に適用することができます。
 就業規則に具体的な明記が無くても、懲戒行為に明記された準用規定。服務規律違反等を適用することで処分できます。

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