コロナ5類変更後(コロナ2019)の出勤停止の方法と給料の扱い
5類感染症となったコロナ2019は法律上の扱いを根拠に出勤停止とはなりません。社内での感染を避けるために出勤停止とする場合、予め就業規則に規定しておく必要があります。規則により強制的に休ませる場合、休業手当の支払いが必要となる場合があります。
季節性インフルエンザ、コロナ2019で社員を休ませる場合
・法律上の扱い
新型コロナの5類変更前は隔離・自宅待機等の外出自粛により法令に基づき出勤を禁止することができました。しかし、変更後となるコロナ2019では季節性インフルエンザと同様になり根拠となる法規制の対象とならないため、法令による出勤を禁止することが出来ません。・出勤を制限する方法
感染者や感染者と同居するなど法令に基づかない感染症(コロナ2019、季節性インフルエンザ等)により出勤停止とするためには、予め就業規則に規定しておく必要があります。・出勤停止期間
出勤を停止とする期間は業務に与える影響と感染リスク等を含めて総合的に判断して適切に定めます。出勤停止期間を最長で考える場合、従来の療養解除の期間を期間を参考にすることが出来ます。季節性インフルエンザの例(学校保健安全法施行規則参考):
発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日を経過するまで。(発症した日を0日としてカウントする)
新型コロナの例(学校保健安全法施行規則参考)令和5年5月8日より:
発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日を経過するまで。(発症した日を0日としてカウントする)
発症した後5日を経過し、かつ、症状が軽快した後1日を経過するまで。
新型コロナの外出を控えることが推奨される期間(2023年5月8日より):
・症状のある人
特に発症後5日間が他人に感染させるリスクが高いことから、発症日を0日目として5日間は外出を控える。かつ、5日目に症状が続いていた場合は、熱が下がり、痰や喉の痛みなどの症状が軽快して24時間程度が経過するまで。
・無症状の人
検体採取日から5日間は外出を控える。
・濃厚接触者(2023年5月8日より):
保健所から新型コロナ患者の「濃厚接触者」として特定されることはありません。また、「濃厚接触者」として法律に基づく外出自粛は求められません。
日数 | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
季節性インフル (学校保健) |
発 | × | × | × | × | × | 可 *1 |
新型コロナ (学校保健) |
発 | × | × | × | × | × | 可 *2 |
新型コロナ:有症状者の外出を控える推奨 | 発 | × | × | × | × | × | 可 *3 |
新型コロナ:無症状者の外出を控える推奨 | 検 | × | × | × | × | × | |
濃厚接触者 | 接 | ||||||
発・・・発症日 検・・・検体採取日 接・・・陽性者と接触した日 ×・・・出席停止、外出を控えることが推奨される期間 可・・・出席や外出を控えが解除される日 *1 解熱した後2日を経過していること。 *2 解熱した後1日を経過していること。 *3 症状軽快から24時間経過していること。 |
・出勤停止期間中の給与
・無給扱いとなる条件
・感染者本人が明らかに重症で労務が不可能なとき。・医師の診断により労務が不可能と判断されるとき。
使用者の責に帰すべき事由に当たらないため、休業手当の支払いは不要となります。
・有給扱いとなる条件
・軽症状や症状がなく労務が可能であるとき。・濃厚接触者等で本人が労務が可能であるとき。
これらの状態で社内感染リスクを避けるために出勤停止とする場合、会社都合での休職となるため平均賃金の60%以上の休業手当の支払いが必要となります。※
※根拠法令
(休業手当)労働基準法第二十六条
使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の百分の六十以上の手当を支払わなければならない。
実際には無給扱い・有給扱いに関わらず、有給休暇を取得するかは会社と本人との話し合いとなります。季節性インフルエンザなどは慣例で有給休暇の取得を認めている企業が多くありますが、実際に有給休暇できるかは企業により異なります。
この他、入院などで休業が長期となった場合、傷病手当金を申請する方法もあります。傷病手当金を申請する場合、3日目までを有給休暇を取得すれば4日目からの分は賃金の約3分の2が支給されます。
・休業手当を支払うケース
・コロナ2019やインフルエンザに感染し、強制的に休ませるとき。・家族など感染者と同居していることを理由に強制的に休ませるととき。
・有給休暇を取得するケース
・休業手当ではなく給与全額となる有給休暇を本人が希望するとき。・入院などで就労不能な状態にあり、休業手当と対象とならない場合で有給休暇を本人が希望するとき。
・傷病手当金を申請するケース
・入院などにより長期の療養(4日以上)となり、4日目以降の分を有給休暇を取得せずに傷病手当金を希望する時。傷病手当金と有給休暇を併用する時、有給休暇分は傷病手当金が支払われません。しかし、待機期間(最初の3日間)は傷病手当金が支払われないため、この待機期間の3日だけ有給休暇を取得すると収入の減額を最小限で済みます。
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