交通事故を起こした社員に対する事故後の注意事項
過失が大きい場合であっても、
当事者間での賠償約束等は、
絶対に行ってはいけない行為です。
当事者間で過失割合に関する話をしないことを言い含めます。
交通事故における賠償責任は、事故の状況による過失割合によって決定されます。通常は事故の状況を踏まえた保険会社同士の判断であり、これに納得できない場合には裁判等の司法での争いとなります。
当事者間での賠償約束を行った場合、保険会社が認める賠償責任と差異があるため事故後の示談に大きな障害となります。
・過失割合の考え方
明らかに一方の過失が大きい事故であっても、過失の全てが加害者となる事故は非常に稀です。過失割合は、類似する事故の過去の判例等をもとに慎重に決定されます。
過失割合が10:0となる可能性が大きいケース
・信号及び一旦停止において、通常の減速を行って停車した車に追突をした場合。
・駐車場内で駐車枠内に停車中の車に接触した場合。など。
過失割合が10:0と誤解する主な事故
・夜間に歩行者(無灯や反射物を身につけていない等)に接触した場合。
・急停止や、正当な理由なく停車した車に追突した場合。
・駐車場内において、通路上に停車している車両に接触した場合。
・停止表示板、ハザード、スモール等の駐車等にかかる安全措置を講じない車に追突した場合。など。
・賠償責任の話が当事者間でされる状況
・事故直後
事故直後の第一声などにおいて、気が動転して全てを賠償する約束をする。
また、気が動転しているところに漬け込まれ約束をさせられる。
・事故処理の最中、及び処理後の解散まで
警察や保険会社の到着までの間に、責任を求められる話し合いが行われる。
・謝罪時
自身の過失が大きいことにより謝罪に伺った際、事故にかかる賠償全ての約束する。(約束をさせられる。)
・電話連絡時
相手から電話で執拗に責められ、賠償の約束をさせられる。
・賠償責任に関する注意事項
賠償に関する無用な争いを予防するためには、社有車を運転する全ての社員に事前に事故発生における基本的な注意事項を教育します。
また、必要に応じた助言や注意を行います。
・事前措置
社有車における取扱いと事故発生時の対応方法について、必ず賠償や過失割合(賠償等)に関する話し合いを行わないことを指導する。
また、賠償等に関することは会社に連絡し保険会社に手続きをとる。という説明を行うように統一する。
賠償等に関する会話と、自身が非が大きいことによる謝罪発言が別である(ご迷惑をかけて申し訳ありませんでした)ことを明確に理解させる。
・事故発生時
事故の一報があった際、必要に応じて相手に対してどのように応対するかを指示する。
特に、運転経験の少ない若手の社員などで過失が大きい事故では、具体的に発言内容を指示する。
過失が特に大きい事故での例:
自分の不注意によりご迷惑をおかけしました。会社に連絡を行いましたので、保険会社よりあらためて連絡が入ると思います。申し訳ありませんでした。など。
・謝罪訪問時
事故概要により謝罪が必要かの判断や、同行するかの検討を行います。
詳しくは、相手方に対する対応(加害者編) > 交通事故の謝罪の仕方 へ
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